ぼくオレ日記。

生き方模索中。ネタや雑念など、すきなように述べていいですか。

伝統 × 現代 山本太郎の「ニッポン画」の世界

 

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先日、京都伊勢丹で開催されていた琳派400年記念の展覧会に行ってきました。

琳派からの道 神坂雪佳と山本太郎の仕事 | 琳派400年記念祭

桃山時代から続く琳派の近代の継承者とされる神坂雪佳、また平成の琳派絵師として評価されている山本太郎二人の作品から、琳派の歴史を紐解く、という趣向のイベント。

山本太郎さんの描く「ニッポン画」の作品がとても印象に残っていたので、ご紹介。

はい。ちょっと待ってください。わかります。
どうか馴染みのない単語が多くても、興味を失わずお付き合いくださいませ。
僕も何気なくふらっと入ったイベントだったのですが、山本さんの作品がとても好きになったので、ご紹介するレベルにまで至ってます。皆さんにも興味を持ってもらいたいのです。(今までよく知らずすいません) 

【 山本 太郎 プロフィール 】
1974年熊本生まれ。2000年京都造形芸術大学卒業。大学在学中の1999年より、
伝統と現代、異質な文化が同居する「ニッポン画」を提唱し、日本の古典絵画と現代の風俗が
融合した絵画を描き始める。近年は能楽の影響もあり、古典文学の物語性が題材に加わる。
秋田公立美術大学准教授。
2015年京都市芸術新人賞、京都府文化賞奨励賞受賞。
https://www.nintendo.co.jp/mario30th/information/2015082400.html

ニッポン画とは?

プロフィールみるととりあえず目に付く「ニッポン画」について。山本太郎さんの公式WEBサイトをみると、

一、「ニッポン画」とは、現在の日本の状況を端的に表現する絵画ナリ。
一、ニッポン独自の笑いである「諧謔」を持った絵画ナリ。
一、ニッポンに昔から伝わる絵画技法によって描く絵画ナリ。

とのこと。特徴としては、伝統的な題材、構成の中に信号や空き缶、ガードレールなど、現代を象徴するモチーフが採用されており、和洋折衷、今昔入り混じる日本の良さを感じながら、その組み合わせを新鮮な目線で楽しむ事ができます。例えば以下のように、

 

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ウッカリ見落としがちですが、よくみると空き缶から水が流れております。

 

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金屏風に描かれた立派な松に、なぜか飛行機やゴミ箱、信号機。
信号を待つ(松)と洒落ているようです。

といった作品群。イメージは掴んでいただけたかと思います。

新旧のオブジェクトの組み合わせ。違和感ではなく驚き、新鮮さが先にきて、そのまま何故か納得してしまう。個人的には、古典めいた作品は全てが難解で「はてさてこれにはどんなストーリーが」と 作品より先に解説をみてしまい、そのまま解説だけ見て終わるということがあったのですが、山本太郎さんの作品では、どんな新鮮な組み合わせが出てくるかなあ、という姿勢できちんと、まずは頭ではなく五感で楽しむ鑑賞ができたように思います。
身近なモチーフが採用されることによって、一気に自分との距離感を詰めさせてもらえた感覚です。

スーパーマリオ的ニッポン画

記事の冒頭にも写真を載せましたが、このイベントの見所は「琳派400周年✖️スーパーマリオ30周年」の屏風。
琳派の400周年、マリオ生誕30周年。お互い記念の年として、風神雷神をモチーフにしたマリオとルイージが金屏風に描かれた作品が展示されており、山本太郎氏ならではの試みと言えます。テレビゲームという近代の文化との融合。マリオもルイージも帽子を脱ぎ、髪を逆立てながら風神雷神らしい荒々しさを醸し出しています。割とレアな姿かも。

琳派400年の歴史と比べれば小さな差異にも思えますが、懐かしいドット絵のキャラも散りばめられ、年代的にもとても嬉しかったです。

老若男女、国籍問わず多くの人が訪れていましたが、やはりこの作品が一番目を引いていたように感じます。普段、まじまじと屏風を鑑賞することは個人的にはなかったのですが、これはじっくり眺めてしまいました。

メイキングも公開されています。

思ったこと。「私淑」について

知識がない人に対しても、直感的な面白さを持たせて文化を発信できる人の存在は貴重だと思います。だからといって浅い訳ではなく、玄人はその向こう側に伝統への愛着が感じられる。単純に楽しみ方が複数あるだけ。文化に慣れ親しむ裾野を広げつつ、より多くの人を、更に奥深い世界に連れて行ってくれる助けになる。

琳派というのは、師弟関係や血縁関係で受け継がれるものではなく、「私淑」という形で後世に伝わります。要するに、作者への敬愛から密かに作風を採り入れ、生きる場所、時代も違うアーティストたちが自発的に受け継いでいく。それが400年も続くのはすごい。

文化にも寿命はあると思いますが、今回のイベントで、近代に受け継いだ神坂雪佳さんと現代で表現を重ねる山本太郎さんの作品を並べて鑑賞し、印象付けられ、琳派の歴史を考える。たしかに「私淑」によって紡がれ、4世紀を超えて自分たちの前に存在している。

きっと、まだまだ末長くご健在な流派なのだろうと、改めて思わされました。


いかがでしたでしょうか。勢いで書いてしまいましたが、私同様、少しでも興味を持ってもらえれば。今回の作品展にちなんだ本もご紹介しておきます。

 

関連サイトは以下より。

www.h7.dion.ne.jp

www.nintendo.co.jp

琳派からの道 神坂雪佳と山本太郎の仕事 | 琳派400年記念祭

ではでは。