ぼくオレ日記。

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リアルタイムで進行する90分。「ニック・オブ・タイム」 - リピート映画

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全てがギリギリの傑作サスペンス

前回に引き続き、記憶を定着させるべく見直した映画をご紹介いたします。

bokuore.hatenablog.com

 今回見た映画は「ニック・オブ・タイム」です。

ジョニーデップ主演、1995年に公開されたサスペンス映画。ニックオブタイムとは「ギリギリで」「きわどいタイミングで」といった意味。

映画の長さ、そして作品内のメインの時間経過はともに約90分。ほぼリアルタイムで物語が進行いたします。「24」シリーズのイメージですね。では、先ほど述べたタイトルの意味も絡めてどんな映画か推理してみましょう。そうです。正解です。
リアルタイムの時間軸の中、いろんなことがギリギリきわどいタイミングで起こり続けるサスペンス映画です。
息をつかせぬ展開。緊張感の密度が非常に高く、テーマ性も明確でひねりの効いた良作品。

無作為に選出されてしまった父と娘 

ジョニーデップは善良な市民。娘と共にロサンゼルスの駅にたまたま立っていただけなのに、謎の男女に無作為に目星をつけられ、娘を人質に取られ、唐突に「イベントに現れる知事を殺せ」と命じられてしまいます。心の準備もなく極限状態に一気に連れさられるお父さんの、90分の物語。なんとかわいそう。英語ですが雰囲気のよくわかる動画もどうぞ。

かわいそうに。

あらすじ
娘リンと共にロサンゼルス郊外のユニオン駅に着いた会計士のジーン・ワトソン(ジョニー・デップ)は突然、警官を装った不審な男女に娘を人質にとられ、カリフォルニア州知事候補(現知事)のエレノア・グラント暗殺を強要される。
「90分以内に暗殺しないと娘の命はない。」と謎の男・スミス(クリストファー・ウォーケン)に脅迫され、終始監視されている中、ジーンは知恵を絞り、あの手この手で警備や関係者に助けを求めるも、知事の警備陣にも暗殺グループが潜り込んでいることが分かり愕然とする。やむなくジーンは、味方は暗殺される知事自身だけだと考え、協力を仰ぐため知事の部屋に侵入し、協力を依頼する。時は刻一刻と迫り、ジーンは暗殺を遂行しようとするが、そこには追い詰められながらもジーンが持つ物怖じしない機転と周到に張り巡らした伏線に知事暗殺を企む謎の男・スミス達が徐々に追い詰められてゆく・・・。ニック・オブ・タイム - Wikipedia

秘密裏に画策する犯罪阻止。勝つのはどちらか。

基本的に追い詰められている主人公ですが、暗殺を遂行しても娘と自分の命の保証はないことは察しており、同時並行で「犯罪の計画阻止」を秘密裏に画策します。しかしギリギリで監視する悪者の邪魔が入り、またはうまくいかず、さらに状態は悪化していく。
標的は無防備で主人公と度々ニアミス。退路は一つずつ断たれ、時間は迫り、心の整理をする暇は全くない。ひとまず娘を助けるため、殺人を行うしかないのか。競り勝つのはどちらか。

こんなに短い時間で、人は追い詰められてしまうのか

会計士の主人公。冒頭ではかっこいいビジネスマンといった感じですが、気づけば服も乱れ、髪もボサボサ、憔悴しながら挙動不審になっていきます。しかし気持ちはすごくよくわかる。
映画では度々シーンに時計が映り込み、現時点の時間がわかるようになっていますが、その度にこれが編集された時間軸ではなく、リアルタイムだということに焦ります。人がここまで追い詰められるのに、たったそれだけの時間しか必要ないのか

主人公が殺人を犯さないで済む方法はないのか? 娘の命は助かるのか? 

失敗のたびに折れそうな精神力を保ち、観察力をフルに活かしながら、機転を利かせて何度も状況を変えようとする主人公。

最終的にどうなるのかは映画を見てご確認ください。完成度の高い良作ハラハラサスペンスです。